モダンな波佐見焼のブランド「HASAMI」をご紹介!
<プロフィール>
有限会社マルヒロ
馬場 匡平 氏
1985年6月15日、400年続く長崎県の伝統工芸である波佐見焼の問屋の家に生まれる。
福岡の流通専門学校を卒業後、インテリアショップやアパレルショップの店員、パン屋、エレベーターの設置などを経て、23歳の時に家業である有限会社マルヒロに就職。
2010~2015年にかけて、波佐見焼を大きく打ち出した陶磁器ブランド「HASAMI」や、その他3つのブランドを発表。
2018年8月に3代目社長に就任。最近は、オランダを代表する現代アーティスト・DELTAこと「Boris Tellegen(ボリス・テレゲン)」や数多くのアーティストとコラボし、波佐見焼のアート作品を発表。
異色の陶磁器メーカーとして、国内外から注目を集めている。
毎日使いたい陶磁器、HASAMIブランドのはじまり
長崎県波佐見町で生まれた波佐見焼は、約400年もの歴史を誇るやきものです。
佐賀県の有田焼が芸術品という位置付けなのに対し、波佐見焼は庶民の生活に根ざした日常食器として愛されてきました。
まずは、馬場さんがハサミブランドを立ち上げた理由について伺いました。
若者が欲しいと思う食器を作りたい
BEST PRESENT編集部 さゆり
有限会社マルヒロ 馬場さん
家業でもあった波佐見焼を生業にするなら、自分たち若い世代が欲しいと思うものを提案していきたいと思い、ハサミを2010年に発表しました。
BEST PRESENT編集部 さゆり
有限会社マルヒロ 馬場さん
なので、従来の波佐見焼のスタイルにこだわらず、「純粋に自分はこの色が好き」「この色だったら友人が買いそうだな」という視点でカラーを決めています。
波佐見焼のこれからのトレンドは?
ハサミは伝統を受け継ぎながら、次世代のやきものブランドとして、斬新なカラーリングや異業種のアーティストとのコラボなど、新しい領域にもチャレンジしています。
江戸時代から庶民の日常食器として愛用されてきた波佐見焼ですが、長い歴史を経て現在はどのようなトレンドがあるのかを伺いました。
白から、明るくポップな色合いに変化
BEST PRESENT編集部 さゆり
有限会社マルヒロ 馬場さん
昔はトレンドが明確にありましたが、これからははっきりしたトレンドはなくなっていくのではと考えています。
新しいトレンドを作るのも、僕らの仕事なのかもしれませんね。
BEST PRESENT編集部 さゆり
現在は、どのような製品が人気を集めているのでしょうか?
有限会社マルヒロ 馬場さん
BEST PRESENT編集部 さゆり
ハサミでは、どのような視点で製品づくりをしているのですか?
有限会社マルヒロ 馬場さん
ライフスタイルや価値観が変化している現代で、30代よりも下の世代に適合するアイテムなのかを意識して、製品を作っていかないといけないなと思っています。
BEST PRESENT編集部 さゆり
ハサミの製品の魅力に迫る!
若い世代の人も使いやすい製品づくりを意識しているハサミでは、おしゃれな見た目以外に、機能面にもこだわっています。
ここでは、現代の生活スタイルに合った、ハサミの製品の特徴についてじっくりお聞きしました。
日常生活のさまざまなシーンをイメージ
BEST PRESENT編集部 さゆり
有限会社マルヒロ 馬場さん
代表的な製品のブロックマグは、食器棚が小さいご家庭が増えていることを意識して作りました。
「収納」というのはどこまでが収納なのかを考えたときに、そのまま置いても絵になるようなものを作りたいと思いました。頻繁に使うものを、毎回片付けるのも面倒ですからね。
BEST PRESENT編集部 さゆり
有限会社マルヒロ 馬場さん
コーヒーなどの飲みもの以外にも、例えばカップスープを飲むときにも使っていただけるように、サイズにもこだわりました。
BEST PRESENT編集部 さゆり
有限会社マルヒロ 馬場さん
おしゃれで、毎日気兼ねなく使える食器
BEST PRESENT編集部 さゆり
有限会社マルヒロ 馬場さん
波佐見焼は、もともと分業体制でやっている産業です。各工程で多くの職人さんたちが関わるので、その人の手癖だったりテイストが出てしまい、なかなか自分たちの思い描くものができませんでした。
そんな中で、色であれば自分たちの意図したものが100%表現できるので、色をベースに作っていくことにしました。
BEST PRESENT編集部 さゆり
有限会社マルヒロ 馬場さん
色もののアイテムはすでに市場にあったのですが、淡いピンクなどのパステルカラーが主流でした。でも自分の好きな色はもっと濃い色だったので、自分がいいと思う色で製品を作ろうと思いました。
BEST PRESENT編集部 さゆり
色のほかにも特徴はありますか?
有限会社マルヒロ 馬場さん
しかし、全てを厚く作ってしまうと重くなるので、マグカップなどは一番欠けやすい口の当たる部分を強化して、他の部分は必要以上に厚くならないように調整しています。
BEST PRESENT編集部 さゆり
丈夫な作りだと、安心して使えるので嬉しいです。
有限会社マルヒロ 馬場さん
食器は、直火とオーブン、IHは使えませんが、食洗機や電子レンジはお使いいただけます。
おしゃれで実用的!ハサミの人気製品をご紹介!
ハサミの食器は、自分の好きな色の組み合わせで選べることと、厚みのある作りで丈夫な点が魅力です。
ここからはハサミの人気アイテムや、シチュエーション別にプロがおすすめするアイテムをご紹介します。マグカップや小皿など、毎日使えるアイテムは必見です!
ハサミの人気製品ランキングTOP3
まず最初に、ハサミの製品の中で特に人気の高いアイテムをお聞きしました。
ブランドの顔とも言えるアイテムで、日常生活で活躍するものばかりなので、まずは一度使ってみたいという方におすすめです。
ブロックマグ
ブロックのようにスタッキングができるブロックマグは、コーヒーなどのドリンクや、市販の粉末スープを飲むのにちょうどいいサイズに作られています。
カップの外側は角がある直線的なデザインですが、取っ手の内側や、口が当たる部分は丸く仕上げられているので実用的です。
カラーはレッドやマスタードなどのポップな色味から、グレイやブラウンなどのシックなものまで幅広く展開しています。
価格 1,500円(税抜)
有限会社マルヒロ 馬場さん
マグカップの8分目まで入れると約180ccなので、カップスープを作ってかき混ぜるのにちょうどいい容量です。
BEST PRESENT編集部 さゆり
プレート
ピザなどの食べものを切り分けやすいフラットなプレートは、和食・洋食問わずさまざまな料理にマッチする色合いが魅力です。
ターンテーブル式の電子レンジにも使える大きさなので、そのままレンジに入れて温めることができます。
また、洗うときにも持ちやすいように、裏側には同心円状の突起が付いていることや、厚めに形成して丈夫な作りになっていることが特徴です。
価格 2,700円(税抜)
有限会社マルヒロ 馬場さん
食洗機で洗うこともできるので、扱いやすいアイテムだと思います。
BEST PRESENT編集部 さゆり
そばちょこ
こちらのそばちょこは、ハサミを手がけるマルヒロの別ブランド「BARBAR」のアイテムです。
「蕎麦猪口大事典」シリーズのひとつで、写真はグラフィックデザイナーの三重野 龍 (みえの りゅう)氏とのコラボレーションアイテム。
この他にもさまざまなアーティストとのコラボや、ポルカドットのそばちょこなど、バリエーション豊かなシリーズがあるので要チェックです。
価格 三重野 龍 そばちょこ 2,000円(税抜)
有限会社マルヒロ 馬場さん
その後、そばつゆを入れてざるそばを食べるようになったことから、蕎麦猪口という名前に変化しました。
BEST PRESENT編集部 さゆり
そう考えると、汎用性の高いアイテムだなと感じました。
毎日使っても大丈夫!自宅用におすすめのアイテム
従来のやきもののイメージは、繊細で壊れやすいというものでした。
しかし、マルヒロのブランドのやきものは無骨で丈夫な作りなので、気軽に毎日使うことができます。
馬場さんに、自宅で使うのにおすすめのアイテムを教えていただきました。
ご飯茶碗
「白淡」という、淡く上品な色合いが特徴のご飯茶碗です。
手にしっくりくる大きさでシンプルなデザインなので、毎日の食事で使っても飽きません。
この他に、奥深い色合いとマットな質感がマッチした「渋結晶」や、ボーダー柄の「三本線」など、それぞれ違った個性を持つご飯茶碗もあります。
価格 小 1,400円(税抜)
大 1,500円(税抜)
有限会社マルヒロ 馬場さん
食事は毎日することなので、扱いやすい波佐見焼のご飯茶碗が自宅使いにおすすめです。
BEST PRESENT編集部 さゆり
男性にも女性にも贈れるおすすめアイテム
ハサミの公式サイトでは、男性向けのギフトや、誕生日祝い、出産祝いなど、シーンに合わせたギフトアイテムの提案もしています。
ここでは、男性にも女性にも贈って喜ばれる、馬場さんイチオシのアイテムをご紹介します。
そばちょこ
「可愛い」から「かっこいい」まで、ポップなデザインが多い「BARBAR」の蕎麦猪口は、普段食器を買う機会が少ない男性にもおすすめです。
今までの蕎麦猪口のイメージを覆すビビッドなカラーや、デザートやフルーツを入れるのにぴったりなシャーベットカラーなど幅広いラインナップで、使う人も使い方も選びません。
ギフトボックスに厳選した蕎麦猪口を入れて贈って、デザインも食事も楽しんでもらいましょう。
価格 そばちょこ2個&ギフトボックスセット 2,900円(税抜)~
有限会社マルヒロ 馬場さん
おしんこを入れたり、お酒を飲んだり、コーヒーを飲んだり、フリーカップなのでなんでも使えます。
BEST PRESENT編集部 さゆり
お祝いのギフトにもおすすめ!波佐見焼入門にぴったりのアイテム
おしゃれで食卓に馴染むハサミの食器は、自宅用にはもちろん、大切な方へのプレゼントにもおすすめです。
波佐見焼がどんなやきものなのか、まずは知りたいという方に最適のアイテムをご紹介します。
祝い鯛 小皿
結婚祝いなどのおめでたいときに贈りたくなる、鯛の形をした可愛い小皿です。
「縁起物」というシリーズで、縁起がいいとされる松竹梅や、えびす様をかたどったものもあります。
醤油や漬物など、ちょっとしたものを入れるのにちょうどいい小皿は、いくつあってもいいと思えるアイテムです。
価格 1,000円(税抜)
有限会社マルヒロ 馬場さん
薬味やおつまみを入れるのはもちろん、ピアスなどのアクセサリーを入れることもできますよ。
BEST PRESENT編集部 さゆり
プロがイチオシする注目のコラボ商品
さまざまなジャンルのアーティストとコラボレーションしていることも、有限会社マルヒロのブランドの特徴です。
これまで波佐見焼を知らなかった若い世代にも支持される、一度見たら忘れられないアイテムをいくつも生み出しています。
ここでは、馬場さんがおすすめするアイテムをご紹介します。
Blue & White TOY
おもちゃのロボットを思わせるこちらのフラワーベースは、オランダのグラフィックアーティストDELTA(デルタ)氏とコラボレーションしたアイテムです。
「ブルー・ホワイト・トラディショナル」をコンセプトに作られた作品は、近未来的な雰囲気を持っています。
和・洋どちらのテイストにも合わせやすく、さりげなくお花を活けてお部屋のインテリアとして飾るのがおすすめです。
価格 6,000円(税抜)
有限会社マルヒロ 馬場さん
このコラボ商品を発表したことで、「HOUYHNHNM(フイナム)」や「Mastered(マスタード)」といった、これまで特集されなかったメンズファッションやカルチャー専門のWebサイトに取り上げられたのが嬉しかったです。
BEST PRESENT編集部 さゆり
これからハサミが目指していくこと
ハサミは、波佐見焼の伝統と技術を守りながら、若い世代の人たちも興味を持つような商品を次々と発表しています。
最後に、これからブランドが目指していくこと、挑戦したいことなどを馬場さんに伺いました。
アクセサリーやスケートボードで、新たな可能性を発見
BEST PRESENT編集部 さゆり
有限会社マルヒロ 馬場さん
そして今後は、いろいろなものを波佐見焼で作れたらということで、おしゃれの道具であるアクセサリーも考えています。
使えるものを作りつつ、皆さんに楽しんでいただけるものを産地から届けられるように頑張っていきたいです。
そのひとつの試みとして、かつて日本にあった飾り皿という文化を違う形で復活させようと思い、「エビセンスケートボード」というブランドとのコラボで、スケートボードをやきもので作りました。
ブランドのグラフィックと、伊万里の鍋島様式の職人技を掛け合わせたもので、このアイテムを通して昔はこんな文化があったということを、若い方に知っていただけたら嬉しいです。
やきものの新たな可能性や、長崎県の小さい会社が新しいことをやっているということを、皆さんに発信していきたいですね。
BEST PRESENT編集部 さゆり
既成概念にとらわれない、ビビッドなカラーの食器やスケートボードなど、斬新なアイデアには驚きました!
やきもののスケートボードは一点もので、展示会で見ることができます。
今回ご紹介したアイテムは、公式のオンラインショップで販売しています。
また、佐賀県にはフラッグシップショップもあります。
私もやきものが大好きなので、九州に旅行に行った際には、ぜひ足を運んでみたいなと思いました。
馬場さん、ありがとうございました。
BEST PRESENT編集部 さゆり
今回、密着取材をさせていただくのは、長崎県波佐見町の波佐見焼をテーマにしたブランド「HASAMI(ハサミ)」です。
約400年という長い歴史を持つ波佐見焼ですが、ハサミのアイテムはどれも斬新で現代的な印象を与えます。
ブランドが生まれたきっかけや、やきものの新しい価値を提案し続ける理由、製品づくりのこだわりなどを、ハサミを手がけている有限会社マルヒロの馬場さんに伺います。
ハサミには、自宅用のほか、友人の誕生日祝い、結婚祝いといったさまざまなシチュエーションで活躍するアイテムが揃っています。
人気アイテムについてもお聞きしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
それでは馬場さん、よろしくお願いいたします。